WEB問診の運用方法とは?よくある課題とクリニックでの運用のコツ6選

WEB問診の運用方法とは?よくある課題とクリニックでの運用のコツ6選

WEB問診システムは、多くのクリニックで導入が進んでいます。

しかし、導入したものの、思い描いたような業務効率化や患者さん満足度の向上につながらないケースも少なくありません。

その原因は、導入後の運用方法にあるからです。

この記事では、WEB問診の基本的な運用方法やよくある課題、運用のコツを具体的に解説します。

WEB問診を最大限に活用し、クリニックの業務をスムーズに改善しましょう。

WEB問診の基本的な運用方法

WEB問診は、導入後の運用が大切です。

WEB問診の一般的な運用方法を3つの段階に分けて解説します。

来院までに患者さんへ事前案内

まず、来院する前の患者さんにWEB問診の案内をします。

案内を事前にすることで、患者さんは自宅や移動中に落ち着いて問診に回答できます。

たとえば、 予約受付完了後に自動で送信されるメールに「来院前にWEB問診へのご回答をお願いします」と記載しURLを貼り付けることで、来院までにスムーズに回答を促せるでしょう。

また、患者さんがアクセスしやすいように、URLを短くしたり、QRコードをメールに添付したりする方法もおすすめです。

受付で案内と回収

受付での案内と回収は、回答率を大きく左右します。

患者さんが来院したら、スタッフが声がけをしてWEB問診への回答を促します

受付で「WEB問診へのご回答はお済みですか?」と尋ね、もし未回答であれば「よろしければこちらのタブレットでご回答いただけます」とタブレット端末を差し出してスムーズな案内を心がけてください。

院内の待合室にポスターを掲示したり、タブレット端末を用意したりする方法もあります。

問診内容の確認

WEB問診に回答してもらった後は、問診内容をスムーズに確認できる体制を整えましょう。

紙の問診票を印刷して確認する方法や、電子カルテと連携させてPC上で確認する方法があります。

診察前に問診内容を確認し、患者さんの主訴や既往歴を事前に把握することで、診察時間の短縮につながるでしょう。

電子カルテと連携できるシステムであれば、問診データが自動で取り込まれるため、手作業で入力する手間がなくなります。

WEB問診の運用でのよくある課題

WEB問診はメリットが多い一方で、運用方法を間違えるとさまざまな課題に直面します。

代表的な課題を3つ解説します。

スタッフの運用負担が大きい

スタッフの運用負担が増加する課題があります。

新しいシステムを導入したのに、かえって手間が増えていると感じるスタッフもいます。

次のようなWEB問診の運用フローが確立されていない場合は、スタッフの負担が大きくなりがちです。

  • WEB問診の患者さんへの案内
  • 患者さんの操作方法の指導
  • 紙の問診票との二重管理

この状態が続くと、スタッフの不満がたまり、WEB問診の運用自体がうまくいかなくなるかもしれません。

WEB問診の回収率が低い

WEB問診の回収率が上がらないという課題があります。

患者さんがWEB問診の存在を知らなかったり、操作方法が分からなかったりするためです。

WEB問診が浸透していない場合、患者さんは紙の問診票を希望することが多く、結果としてWEB問診の回答率が低迷します。

また、WEB問診のURLが長すぎたり、スマホで開きにくかったりする場合、途中で回答を諦めてしまう人もいます。

その結果、せっかく導入したWEB問診の利便性を活かしきれません。

業務効率化や待ち時間の短縮効果がない

WEB問診を導入したのに、業務効率化や待ち時間の短縮効果が実感できない課題があります。

システムが既存の業務フローと連携していなければ、かえって業務が煩雑になるでしょう。

たとえば、 WEB問診と電子カルテが連携していない場合、受付スタッフはWEB問診で得た情報を手作業で電子カルテに転記する必要があります。

この作業は時間がかかり、入力ミスも発生します。

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WEB問診をクリニックでうまく運用する6つのコツ

ここでは、WEB問診をクリニックでうまく運用するコツをお伝えします。

1.導入前に運用のシミュレーションを行う

WEB問診をうまく運用するためには、導入前に運用のシミュレーションを行うのが大切です。

事前にクリニックの業務フローに、WEB問診を組み込む流れをスタッフで確認し、運用イメージを具体的に共有することで導入後の混乱を防げます。

導入を検討しているシステムの無料デモやトライアル期間を利用して、受付から診察、会計までの流れを実際にシミュレーションしましょう。

患者さん役とスタッフ役に分かれて運用テストをすることで、システム導入後の具体的な課題や改善点を見つけられます。

2.運用ルールを統一する

WEB問診の運用を成功させるためには、運用ルールを統一しましょう。

誰が、いつ、どのようにWEB問診の案内をするかを明らかにして、院内で共有することで、スタッフ間の認識のズレがなくなります。

たとえば、「予約システムから予約した患者さんには、予約完了メールにWEB問診のURLを自動で送る」というルールを決めます。

来院時の声がけも「本日はWEB問診のご回答をお願いします」と統一することで、どのスタッフが対応しても同じように患者さんを案内できます。

マニュアルを紙で配布するだけでなく、スタッフ間で情報共有できるチャットツールを活用すると、いつでも確認ができて便利です。

3.継続的な告知で患者さんが飽きないようにする

WEB問診の利用を定着させるためには、患者さんがWEB問診の存在を忘れないような告知が大切です。

院内での掲示やホームページでの告知を定期的に更新したり、告知方法に変化をつけたりすることで、患者さんの関心を引きつけ続けられます。

たとえば、 待合室のポスターを季節ごとに変えたり、新しい機能が追加されたらその情報をSNSで発信したりする方法があります。

「今月の待ち時間は平均〇分短縮!」といった具体的な効果を伝えることで、患者さんに利用するメリットを伝えられます。

4.予約システムや電子カルテと連携させる

WEB問診を単体で使うのではなく、既存の予約システムや電子カルテと連携させましょう。

WEB問診で得た情報が自動でカルテに反映されるため、転記の手間がなくなり、入力ミスも防止できます。

受付スタッフは手作業で入力する必要がなくなるため、受付業務がスムーズになり、患者さんの待ち時間が短くなるでしょう。

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5.患者さんからの問い合わせやトラブル対応に関する体制を整える

WEB問診を運用する際は、患者さんからの問い合わせやトラブルに備えて体制を整えてください。

質問に答えられるスタッフを決めたり、よくある質問をまとめたFAQページを用意したりする方法があります。

患者さんから「WEB問診の操作方法がわからない」と問い合わせがあったとします。

その場でスタッフが適切にサポートできるよう、主要な質問に対する回答をまとめたマニュアルを準備しておくことで、患者さんを待たせることなく、スムーズな対応ができます。

6.定期的に患者さんとスタッフにヒアリングして改善する

WEB問診の運用を最適化するために、定期的にヒアリングをして改善を続けましょう

実際にシステムを使う患者さんとスタッフの意見を取り入れることで、より良い運用方法につなげられます。

たとえば、 運用開始から数ヶ月後に、患者さんにWEB問診に関するアンケートを実施してください。

「使いやすかったか」「改善してほしい点は何か」といった質問をすることで、利用者さまの生の声を聞けます。

同時に、スタッフミーティングで「どの部分に負担を感じているか」「改善が必要なポイントはどこか」を話し合うことで、両方の視点から運用を改善できます。

成功事例に学ぶWEB問診の運用のポイント

ここでは、WEB問診の運用ポイントを成功事例から見ていきましょう。

小規模クリニックでの効率化事例

スタッフが1〜2名体制のAクリニックでは、手書きの問診票をWEB問診に切り替えることで、大きな業務改善が見られました。問診票の回収から電子カルテへの転記作業がなくなり、スタッフの事務作業時間が大幅に削減されました。浮いた時間で、受付での会計や次回の予約案内など、患者さん一人ひとりに丁寧な対応ができるようになり、クリニック全体のサービス向上につながりました。

患者満足度が向上した取り組み事例

BクリニックではWEB問診の活用により、患者さんの待ち時間が短縮され、満足度が高まりました。このクリニックでは、予約時にWEB問診への回答を促し、事前に患者さんの症状や来院目的を把握する体制を整えました。さらに、来院後もスムーズな問診案内を徹底したことで、診察から会計までのフローがスムーズになり、患者さんを長時間待たせることなく対応できるようになりました。

WEB問診の運用に関するよくある質問

WEB問診の運用に関するよくある質問を確認して、不安や悩みを解決するきっかけにしてください。

Q.WEB問診を運用するためにはどのくらいの費用がかかりますか?

運用費用は、選ぶシステムによって大きく異なります。

初期費用が無料のものもあれば、月額費用が数万円かかるシステムもあります。

必要な機能やクリニックの規模に応じて、費用対効果を考えましょう。

Q.WEB問診の回答が、毎回バラバラで確認しにくいのですが。

WEB問診の回答がバラバラである原因は質問内容にある可能性があります。

質問を見直して自由記述形式の項目を減らし、選択肢形式の質問を増やすことで、回答内容を標準化できます。

Q.紙の問診票とWEB問診の両方に対応するのは大変です。どうすればいいですか?

WEB問診の導入初期は、紙の問診票と両方を併用し、少しずつWEB問診の利用を促しましょう。

待合室でスタッフが声がけしたり、WEB問診のメリットを患者さんに伝えたりすることで、移行をスムーズに進められます。

WEB問診は運用次第で効果が大きく変わる!

WEB問診システムは、ただ導入するだけでは本来の価値を発揮できません。

導入後の運用方法を工夫することで、クリニックの業務効率を大幅に向上させ、患者さんの満足度を高められます。

この記事で解説した運用方法やコツを参考に、クリニックの課題解決に役立てましょう。

WEB問診の運用を成功させるためには、使いやすさと充実したサポート体制が不可欠です。

「メルプ問診票」は、医療業界に特化した設計で、直感的な操作が可能です。患者さんが迷わず入力できるよう工夫されているだけでなく、電子カルテや予約システムとの連携機能も充実しているため、スムーズな運用を実現できます。

WEB問診を導入して業務効率化と患者さん満足度向上を両立させたいとお考えでしたら、ぜひ「メルプ問診票」をご検討ください。

メルプWEB問診

著者PROFILE

スマートクリニック事業推進室長 原拓也
スマートクリニック事業推進室長 原拓也
医療機器メーカー営業としてキャリアをスタートした後、医療ITベンチャーにて生活習慣病向けPHRサービスのプロダクトマーケティング責任者をはじめ、メルプWEB問診の事業責任者を経験。その後、クリニック専用の自動精算機・自動釣銭機の商品の企画・開発を手がけ、現在は「医療を便利にわかりやすく」をミッションにスマートクリニックの社会実装に向け同事業の企画・推進を担当。