WEB問診のメリットとは?クリニックに導入して得られる3つの効果を解説

WEB問診のメリットとは?クリニックに導入して得られる3つの効果を解説

「受付や問診票の入力作業でスタッフの負担が大きい」「もっと効率的に診察を進めたい」

このような課題を感じているクリニックはありませんか。

これらの悩みや課題を解決してくれるのがWEB問診です。

WEB問診は、患者さんが来院前にスマートフォンやパソコンで問診に回答できるシステムです。

この記事では、WEB問診を導入することで、患者さんとクリニックの双方にどのようなメリットがあるのかを詳しく解説します。

WEB問診を導入する効果を理解でき、クリニックの業務改善や患者さんの満足度向上につながるヒントが得られるでしょう。

WEB問診を導入するメリット【患者側】

まずは、WEB問診を導入するメリットを患者さんの視点から解説します。

待ち時間を削減できる

WEB問診を導入すると、来院前に問診を済ませておけるため、患者さんはクリニックでの待ち時間を大幅に削減できます。

紙の問診票の場合、患者さんが待合室で記入する時間が発生し、その分待ち時間が長くなってしまいがちです。

たとえば、事前に来院予定のクリニックのホームページから問診に回答しておくと、来院後は受付を済ませると、すぐに診察に案内されます。

そのため、患者さんは待合室で過ごす時間が減り、ストレスなく受診できるでしょう。

自宅でゆっくり入力できる

WEB問診なら、患者さんは自宅で落ち着いて回答できます。

クリニックの待合室では、他の患者さんがいるため、慌てて記入したり、症状を思い出せなかったりすることがあるかもしれません。

しかし、WEB問診はスマートフォンやパソコンから、自宅で家族と相談しながらゆっくりと症状を記入できます。

また、腹痛や発熱などの症状でつらいときにも、自宅のベッドで横になりながら入力可能です。

その結果、医師に正確な情報を伝えられるため、的確な診断や治療につながります。

個人情報に配慮した回答ができる

WEB問診は、周囲の目を気にすることなく、プライバシーが守られた環境で入力できます。

特に、性感染症や婦人科系の症状など、デリケートな内容を紙の問診票に記入する場合、他の患者さんの目につきやすい待合室では、内容を書きづらいと感じる方もいるでしょう。

WEB問診であれば、他の患者さんに内容を見られる心配がありません。

WEB問診を導入するメリット【クリニック側】

WEB問診を導入すると、患者さんばかりではなく、クリニック側にもメリットがあります。

ここでは、主な5つのメリットをご紹介します。

問診データの正確性が向上する

WEB問診を活用すると、患者さんが入力したデータが直接電子カルテに連携されるため、診察に必要な情報がより正確になるメリットがあります。

なぜなら、紙の問診票の場合、スタッフが手作業で電子カルテに転記するため、文字の読み間違いや入力ミスといったヒューマンエラーが発生する恐れがゼロではないからです。

例えば、誤って別の患者さんのカルテに情報を入力したり、薬のアレルギーに関する情報を間違って入力したりするかもしれません。

しかし、WEB問診であれば、患者さんが入力した情報がそのまま電子カルテに反映されるため、転記ミスは発生しません。

医師が正確な患者さん情報を把握でき、質の高い診察ができるようになるのです。

スタッフの入力作業が不要になる

スタッフの入力作業が不要になることが、WEB問診の導入のメリットです。

従来の方法のままだと、患者さんが記入した情報を電子カルテに入力する必要があり、多くの時間がかかっていました。

特に、患者さんの来院が多い時間帯では、スタッフは来院された患者さんの受付対応をしながら、問診票の入力作業も同時に行わなければなりません。

WEB問診なら、この手間がなくなるため、スタッフは患者さん対応や他の業務に集中できるようになります。

診察前に患者情報を把握できる

WEB問診を導入すると、医師や看護師は診察前に患者さんの情報を把握できます

患者さんの症状や既往歴、服用している薬の情報などを事前に把握することで、診察や検査をスムーズに進められます。

診療全体の効率が向上するため、医師や看護師の負担軽減も期待できるでしょう。

感染リスクを減らせる

WEB問診を使い始めると、クリニックでの感染リスクの減少に期待できます。

患者さんの院内の滞在時間を短縮でき、他の患者さんとの接触機会を減らせるからです。

発熱や咳など感染症の疑いがある患者さんが来院した場合、同じ空間に長時間いることで、感染のリスクを高めてしまうかもしれません。

また、WEB問診であれば、事前に問診票の入力が終わっているため、クリニックのスタッフとのやり取りも少なく済みます。

混雑の緩和につながる

WEB問診を導入した場合、クリニックの混雑緩和につながります

紙の問診票では、患者さん一人ひとりの問診票の記入をその場で確認したり、スタッフが入力したりするのに時間がかかるからです。

混雑時には、受付で列ができてしまうこともあります。

WEB問診を導入すれば、問診票の記入時間がなくなるため、受付や待合室の混雑が緩和され、患者さんの快適さも向上するでしょう。

WEB問診がもたらす経営上のメリット

ここでは、WEB問診によるクリニックの経営上のメリットを3つ紹介します。

患者満足度が上がりリピート率が向上する

WEB問診は、患者さんの満足度を高め、リピート率を向上させます。

その理由は、待ち時間の短縮やスムーズな受診につながるからです。

厚生労働省「令和5(2023)年受療行動調査(確定数)の概況」によると、患者さんの満足度が最も高い項目は「医師以外の病院スタッフの対応(63.9%)」であり、次いで「医師との対話(62.0%)」、「医師による診療・治療内容(60.2%)」と続きます。

一方で、「診察までの待ち時間(32.1%)」は、全6項目の中で一番低い数値となりました。

つまり、患者さんはスタッフの対応、診察時の治療やケアには満足しているものの、待ち時間については不満を感じていると言えます。

そのため、診察までの待ち時間を減らすと、患者満足度がさらに向上し、リピート率が高まることが期待できます。

口コミや集患効果に期待できる

WEB問診の導入は、クリニックの良い口コミを増やし、新しい患者さんを呼び込む効果が見込めます。

なぜなら、患者さんの満足度が高まることで、良い評判が自然と広まっていくからです。

多くの患者さんは、クリニックを選ぶ際にインターネット上の口コミやSNSの評判などを参考にします。

WEB問診によって「待ち時間が短い」「受付がスムーズ」といった良い印象を持ってもらえれば、患者さんは「このクリニックはおすすめだよ」と家族や友人に伝えたり、SNSや口コミサイトで良い評価を広めてくれるでしょう。

このように、WEB問診はクリニックの評判を上げ、集患にもつながります。

ペーパーレスでコストを削減できる

ペーパーレス化によるコスト削減につながることが、WEB問診を導入するメリットです。

紙の問診票を使用する場合、印刷代、紙代、保管スペースの費用、そしてそれらを管理する人件費がかかります。

また、過去の問診票を保管するためのファイルや棚も必要となり、院内のスペースを圧迫してしまいます。

WEB問診は紙を一切使用しないため、これらのコストをすべて削減できます。

WEB問診を導入するデメリットと対策

WEB問診には多くのメリットがありますが、いくつかのデメリットもあります。

  • ITが苦手な患者さんへの対応が必要である
  • 継続的な運用の手間が生じる
  • 質問が多いと効率が悪くなる場合がある

これらのデメリットも、事前の準備やシステム選び、スタッフの対応などによって最小限に抑えられます。

WEB問診の詳しい対策については、下記の記事で解説しているため、参考にしてみてください。

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【簡単解説】Web問診とは?メリット・デメリットや選び方を解説

WEB問診の導入事例

ここでは、WEB問診を実際に導入したクリニックを紹介します。

クリニックで業務の効率化につながった事例

ある内科クリニックでは、紙の問診票の入力作業にスタッフが多くの時間を費やしていました。この作業は、入力ミスも発生しやすく、スタッフの大きな負担になっていました。WEB問診を導入したところ、スタッフは入力作業から解放されました。患者さん対応や予約管理など、本来の業務に集中できるようになり、診察までの時間も平均5分短縮できたため医師の負担も軽減できました。

患者数増加に対応できた事例

ある耳鼻科クリニックは、地元のテレビで紹介されたことで患者さんが急増しました。しかし、待ち時間が問題となり、患者さんから不満の声が聞かれるようになりました。WEB問診を導入したところ受付から診察までの時間が大幅に短縮され、待合室の混雑が緩和されました。患者さんの満足度が向上し、「待ち時間が短い」という口コミが増えて新規の患者さんの獲得にもつながりました。

WEB問診に関するよくある質問

WEB問診に関するよくある質問を紹介します。疑問や不安の解決にお役立てください。

Q.WEB問診とAI問診の違いは何ですか?

WEB問診は、紙の問診票をオンライン化したものです。患者さんが事前に用意された項目に沿って入力します。

AI問診は、患者さんの症状に合わせてAIが質問を投げかけるシステムです。対話形式で問診を進めるため、詳しい情報を効率的に聞き出せる一方で、入力に手間がかかる可能性があります。

Q.WEB問診アプリを選ぶ際の注意点はありますか?

WEB問診アプリを選ぶ際には、いくつかの注意点があります。

  • システムの使いやすさ
  • 電子カルテと連携
  • サポート体制
  • 費用

患者さんが簡単に使える設計になっているかどうかが重要なポイントです。

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【導入事例あり】Web問診アプリ導入で失敗しないためのポイントは?

Q.WEB問診は高齢の患者さんでも使えるの?

WEB問診は高齢の患者さんでも使えます。多くのシステムはシンプルでわかりやすいデザインになっているため安心です。

Q.WEB問診はセキュリティ面で安全ですか?

WEB問診は、セキュリティ面で安全です。多くのシステムは、高いセキュリティ対策が施されています。

ただし、セキュリティ対策は機種によって異なるため、事前にしっかりと確認する必要があります。

WEB問診を導入するとクリニックと患者さん双方にメリット!

WEB問診は、患者さんの待ち時間を減らし、クリニックの業務を効率化する優れたツールです。

事前に問診を済ませておくことで、患者さんはスムーズに診察を受けられるため、満足度が高まります。

クリニック側は紙の問診票を管理する手間がなくなり、スタッフの負担が大幅に軽減されます。

ぜひ、WEB問診の導入を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。

株式会社ヒーローイノベーションが提供する「メルプWEB問診」は、現役の医師が経験をもとに開発したWEB問診システムです。

導入後の手厚いサポート体制でシステム定着をサポートします。

WEB問診の導入に関するご相談やご質問などありましたら、お気軽にお問い合わせください。

メルプWEB問診

<参考サイト・文献>

令和5(2023)年受療行動調査(確定数)の概況|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jyuryo/23/dl/kakuteisu-kekka2023.pdf

著者PROFILE

スマートクリニック事業推進室長 原拓也
スマートクリニック事業推進室長 原拓也
医療機器メーカー営業としてキャリアをスタートした後、医療ITベンチャーにて生活習慣病向けPHRサービスのプロダクトマーケティング責任者をはじめ、メルプWEB問診の事業責任者を経験。その後、クリニック専用の自動精算機・自動釣銭機の商品の企画・開発を手がけ、現在は「医療を便利にわかりやすく」をミッションにスマートクリニックの社会実装に向け同事業の企画・推進を担当。