医療現場の業務改善3ステップ│クリニックの事例と効率化ツール5選|MEDISMA|診療に必要な機能をワンパッケージ

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医療現場の業務改善3ステップ│クリニックの事例と効率化ツール5選|MEDISMA|診療に必要な機能をワンパッケージ

医療現場の業務改善3ステップ│クリニックの事例と効率化ツール5選

医師とスタッフが業務について話している様子

人手不足や患者のニーズ変化により、医療現場では従来の業務を効率化する方法が求められています。クリニックにおいても、他職種へのタスクシフトやツールの導入などにより、業務効率化が可能です。

しかし、「現在の業務を改善したいけれども、時間がない」「具体的に何をすればよいかわからない」など、何から手を付ければよいか悩む方も多いでしょう。

本記事では、医療機関の業務改善を進めるための3ステップや、課題解決に役立つ5つのツールについて解説します。また、クリニックの効率化事例やシステム導入時に起こりやすい現場の反発を乗り越えるコツも紹介しています。

自院の生産性を高め、スタッフが働きやすい環境を構築するための参考にしてください。

医療現場の業務改善が必要な3つの背景

医療現場の業務改善が必要な背景は以下の3つです。

  • 人手不足とスタッフの疲弊
  • 働き方改革による派遣医師の引き揚げ
  • 患者の要求水準向上とクレームの増加

1.人手不足とスタッフの疲弊

医療機関では、看護師や医療事務などのスタッフが採用しにくい状況が続いています。医療スタッフの有効求人倍率は、以下のように平均1.25倍(令和6年)を超えており、人手が不足している状況です。

職種

全国有効求人倍率(倍)

全体平均

1.25

看護師

2.41

理学療法士

4.53

歯科衛生士

3.08

医療事務

1.61

 

特に、理学療法士や歯科衛生士は有効求人倍率が高く、整形外科や歯科にとっては専門職スタッフの確保が経営に直結します。

欠員状態のままで日々の診療を無理に回し続けると、残業時間が増加して疲弊によるさらなる離職を招くおそれがあります。このような負の連鎖を防ぐためにも、人に依存しない仕組み作りを進めることが必要です。

▼関連記事

クリニックの人手不足はなぜ起きる?対策とスタッフ定着のポイント

 

参考:一般職業紹介状況(令和6年12月分及び令和6年分)について│厚生労働省

参考:看護師 – 職業詳細|職業情報提供サイト(job tag)

参考:歯科衛生士 – 職業詳細 |職業情報提供サイト(job tag)

参考:理学療法士(PT) – 職業詳細 |職業情報提供サイト(job tag)

参考:医療事務 – 職業詳細 |職業情報提供サイト(job tag)

2.働き方改革による派遣医師の引き揚げ

2024年に改正された法律に伴い、大学病院や基幹病院からの非常勤医師の引き揚げが生じています。時間外労働の上限規制が適用され、派遣元の病院が自院の医師の総労働時間を法定内に収める必要があるからです。

働き方改革に関連して大学・他医療機関から「医師の引き揚げがあった」と回答した医療機関は5.3%と少ない割合ですが、一定程度影響が生じています。

外部からのアルバイト医師の補充が難しくなれば、休診日の増加や診療時間の短縮など、現在の診療体制を維持できなくなる可能性があります。そのため、今いる限られた人員での生産性の向上が急務です。

▼関連記事

【開業医向け】医師の働き方改革がもたらすクリニックへの影響と対策

 

参考:令和6年度医師の働き方改革の施行後状況調査 調査結果│厚生労働省

3.患者の要求水準向上とクレームの増加

現代の患者が医療機関に求めるサービスの質や利便性への要求水準は、年々高まっています。日常生活で手軽なネット予約やキャッシュレス決済が当たり前として定着しているからです。

電話が通じないことや、待合室での長い待ち時間は、患者の不満を強めて、クレームや悪い口コミにつながりかねません。

クレーム対応は受付スタッフの精神的負担を大きく増大させ、通常の受付や会計業務を遅延させる要因にもなります。

患者満足度の向上とスタッフの負担軽減を両立させるためにも、業務プロセスの見直しが欠かせません。

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病院・クリニックの待ち時間が長い原因は?クレーム対応と防止策を解説

医療現場の業務改善を進める3ステップ

医療現場の業務改善は、以下の3ステップで進めましょう。

  • 現場のムリ・ムダを見える化
  • タスクシフトと個別の配慮を行う
  • 最適なツールの選定とマニュアル作成

ステップ①:現場のムリ・ムダ・ムラを見える化

まず、現状の業務プロセスや労働時間を客観的な定量データとして正確に把握しましょう。現場スタッフの「忙しい」という声だけでは、どこに問題があるかを特定できないからです。

製造業でよく活用されるムリ・ムダ・ムラという3つの観点から考えるとよいでしょう。具体的には以下の通りです。

 

分類

説明

具体例

ムリ

能力やリソースを超えた過度な負担

1人のベテラン受付スタッフが、電話対応と会計を同時に行っている

ムダ

付加価値を生まない不要な作業

患者が書いた紙の問診票を、スタッフが手作業で電子カルテへ転記している

ムラ

業務量やスキルのバラつき

午前中の特定時間帯だけ患者が集中し、対応スタッフが不足する

受付から会計に至るまでの一連の動線において、誰がどの業務にどれだけの時間を費やしているかを時間を計測して可視化します。特定のスタッフへの業務の偏りや非生産的な作業を発見することが、業務改善の第一歩です。

ステップ②:タスクシフトによる業務分担の見直し

現状の課題が明確になった後は、すべての業務を一から仕分けし、タスクシフトによる担当者の見直しを進めます。診断書の下書きやカルテの代行入力を事務スタッフへ移譲するなど、医師が診察というコア業務に専念できる環境を作るためです。

【タスクシフトの例】

業務内容

従来担当

タスクシフト

カルテ入力・文書作成

医師

医療クラーク(事務)へ

予診・検査の事前説明

医師

看護師へ

物品補充・環境整備

看護師

医療事務・助手へ

ステップ③:最適なツールの選定とマニュアル作成

業務フローを整理して誰が何を担うか決定した上で、新しい仕組みを支援するツールを選定して導入します。

業務手順があいまいなまま最新のツールを入れても、現場の混乱を招くだけで属人化の解消には至らないからです。

導入後は、誰でも同じ品質でスムーズに作業できるように、新しい業務フローをマニュアル化して組織全体で標準化します。

運用ルールを明確化して新人教育にかかる時間を減らし、医療サービスの質を常に一定に保つ効果が期待できます。

医療現場の課題別おすすめツール5選

医療現場の課題別おすすめITツールは以下の5つです。

  • 【受付】診療予約システムで電話を削減
  • 【問診】WEB問診で転記作業を完全に撤廃
  • 【診察】AIクラークや画像診断支援の活用
  • 【会計】自動精算機で金銭授受のストレス解消
  • 【労務】クラウド勤怠管理システムで適正化

【受付】診療予約システムで電話を削減

受付業務の負担を減らすには、診療予約システムの導入が効果的です。患者自身が個人のスマートフォンなどから、24時間いつでも予約の取得や変更を行える仕組みを構築できるからです。

スタッフが電話対応に追われる時間が減り、目の前に来院した患者への丁寧な接遇や案内業務に集中できるようになります。

また、システムによる予約枠の自動調整で待合室の混雑が平準化され、患者の待ち時間短縮にも寄与するはずです。

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【問診】Web問診で転記作業を完全に撤廃

紙の問診票によるスタッフの二重の入力手間を解消するには、Web問診システムが適しています。患者が来院前や待合室で入力した事前問診データが、そのまま電子カルテに直接連携されて自動転記されるからです。

スタッフの手入力作業がなくなり、転記ミスや手書き文字の誤読といったヒューマンエラーを確実に防止できます。

事前に患者の症状や既往歴を正確に把握できるため、診察前の準備が円滑になり、事務部門へのタスクシフトが実現します。

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【簡単解説】Web問診とは?メリット・デメリットや選び方を解説

【診察】AIクラークや画像診断支援の活用

医師の負担となる記録業務の効率化には、AIクラークや画像診断支援システムが役立ちます。

AIクラークとは、診察時の会話からカルテ案を自動作成し、SOAP形式で電子カルテ上に要約されるツールです。患者と話すだけでカルテが完成し、必要に応じて修正も可能であるため、記録業務の大幅な削減につながります。

また、画像診断支援システムは、AIを用いてCTやMRI、内視鏡などの画像を解析し、病変の検出や鑑別を行うものです。異常の見落とし防止や業務効率化につながり、専門医不在のクリニックで効果を発揮するツールです。

AIクラークや画像診断支援システムにより、患者との会話に集中できるとともに、質の高い診断が可能となるでしょう。

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【会計】自動精算機で金銭授受のストレス解消

会計時の患者待ちや現金の取り扱いによるリスクをなくすには、自動精算機やキャッシュレス決済が役立ちます。電子カルテの請求データにもとづき、患者自身が機械を操作して精算を行うセルフ方式の仕組みへと変わるからです。

スタッフは釣銭間違いに対するプレッシャーから解放され、診療終了後のレジ締めに要する時間も削減できます。

診察終了から会計までの煩わしい待ち時間が解消されることで、患者満足度も自然と向上するでしょう。

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【労務】クラウド勤怠管理システムで適正化

正確な労働時間を把握し法令を遵守するためには、クラウド勤怠管理システムが必要です。休暇申請や残業申請をオンラインで承認できるため、紙での運用に比べて手間が削減できます。

また、クラウド型はシステムが自動でアップデートされるため、最新の法令に準拠されます。医師の働き方改革や労働基準法の改正にも対応できるため、コンプライアンスの観点からも有効です。

ツール導入には業務改善助成金の活用も有効

クラウドシステムやハードウェアの導入にかかる初期費用を抑えるため、条件を満たせば「業務改善助成金」を活用できます。一定額の賃金上昇に伴い、設備投資をした場合が対象です。

生産性向上に資するICT機器の機械装置等購入費やシステム導入の委託費などが、給付の対象となる可能性があります。特定業務専用システムを稼働させる目的なら、新規購入のパソコンやタブレット端末なども対象になり得ます。

支給要件や申請スケジュールを事前に確認し、制度を活用して業務効率化を図りましょう。

ツール導入時の現場の反発を乗り越えるコツ

ツール導入時の現場の反発を乗り越えるコツは以下の3つです。

  • 事実にもとづく危機感と目的の共有
  • 一部の患者からスモールスタート
  • ITリテラシーへの配慮

事実にもとづく危機感と目的の共有

新しいシステムを導入する際は、客観的な事実を用いて危機感を共有することが必要です。

経営側の効率化だけを理由にしてしまうと、現状維持を望むスタッフから反発を招くおそれがあります。

行政の調査結果などを提示し、このままでは当院の診療体制を維持できない現実を伝えます。その上でスタッフ一人ひとりが楽に働き続けるための施策であるというメリットを明示しましょう。

一部の患者からスモールスタート

現場の抵抗を防ぐには、対象を絞って小さく運用を始めましょう。

例えば、Web問診であれば、「初診の患者のみ」や「発熱外来のみ」に限定して導入します。そこで「確かに事務作業が減った」「患者の待ち時間が減り、クレームがなくなった」などとスタッフが実感できると、現場の協力を得やすくなります。

スモールスタートで始めることで、現場の混乱を抑えつつ、成功体験を重ねられることで抵抗感が少なくなります。

ITリテラシーへの配慮

システムの導入においては、スタッフ一人ひとりのITリテラシーに合わせたサポート体制を敷くことが必要です。

ベテランスタッフにとって新しい画面操作自体がストレスとなり、システムの形骸化を引き起こす可能性があるからです。

操作に完全に慣れるまでの期間は十分な伴走支援を行い、誰も取り残さないという組織風土を醸成します。マニュアルを渡して終わりにするのではなく、スタッフの不安や健康状態に寄り添う柔軟な配慮が求められます。

クリニックにおける業務改善の成功事例3選

クリニックにおける業務改善の成功事例を3つ紹介します。

1.AIクラーク導入で充実したカルテを作成(医療法人社団フィーカ 関医院)

医療法人社団フィーカ関医院は、AIクラークの導入によって医師のカルテ入力負担を軽減させました。提示内容をコピーするだけで詳細なカルテを作成でき、休憩時間の確保や残業時間の削減につながっています。

検査結果の数値を「ヘモグロビンの数値は○○で、貧血はありませんね」などと説明することで、カルテ上に自動記録。患者への説明もわかりやすくなり、効率化と患者満足度向上を両立させています。

参考:医療法人社団フィーカ 関医院│MEDISMA AIクラーク導入事例

2.ICTと情報共有で在宅医療の負担を軽減(たんぽぽクリニック)

たんぽぽクリニックは、ICTツールの活用で在宅医療における24時間対応の負担を軽減しました。多職種が患者の状況をリアルタイムで把握できる情報共有の仕組みを構築しています。

毎朝ミーティングを実施して患者の変化をシステムで共有し、急変時でも誰もが安全な対応を行えます。1分間で簡潔にスピーチするルールで情報共有の効率化も実現。現場の心理的負担を減らし、持続可能な診療体制の構築に貢献しています。

参考:勤務環境改善に向けた好事例集│厚生労働省

3.スタッフ主導の業務改善活動を実践(医療法人社団MFC 溝口ファミリークリニック)

溝口ファミリークリニックは、スタッフ主導の業務改善活動で現場の課題を解決しました。

毎日の業務やその所要時間、改善提案を週報に記録し、1か月間集計した分をミーティングで検討。患者の待ち時間の要因を特定し、平準化につなげました。

また、患者やスタッフから寄せられた質問を集め、課題などを1分間で書き出すワークも実施しています。各課題の頻度や影響度、改善効果などを整理することで、対応の優先度が明確になりました。

スタッフが自律的に業務を見直す風土が根付けば、現場の不満が解消され生産性は大きく向上するでしょう。

参考:勤務環境改善に向けた好事例集│厚生労働省

医療機関の業務改善は丁寧なツールの導入で効率化を

クリニックの業務効率化を成功させるには、まず現場に潜む「ムリ・ムダ・ムラ」を把握し、タスクシフトによって適切な業務分担を行うことが必要です。

その上でシステムを導入する際は、スタッフの不安に寄り添うサポートを行い、誰もが無理なく新しい環境に適応できる体制づくりが欠かせません。

受付から会計までのフローを総合的に見直し、スタッフ全員が前向きに取り組める環境づくりを目指しましょう。

ヒーローイノベーションが提供するMEDISMAは、クリニック経営に必要な機能をワンパッケージで提供し、現場のムリ・ムダ・ムラを解決します。

  • MEDISMA予約ホームページ上で空き枠を表示し患者をスムーズに誘導することで、スタッフの電話対応の負担を大幅に削減します。
  • MEDISMA問診患者がスマホで入力した内容が電子カルテへ自動転記されるため、紙からの転記作業(ムダ)をゼロにし、医師の入力時間を削減します。
  • MEDISMA AIクラーク診察中の会話をAIが自動で要約(SOAP形式)しカルテの下書きを作成するため、医師のカルテ入力にかかる心理的・時間的負担(ムリ)を軽減します。
  • MEDISMAレジレセコンと連動した自動精算により会計待ち時間を短縮し、スタッフの金銭授受のミスや、診療後のレジ締め作業の手間をなくします

これらのシステムを連携させることで、予約から会計までの一連の流れがスムーズになり、患者の待ち時間短縮とスタッフの業務負担軽減を同時に実現できます。

医療現場の業務改善を目指している方は、ぜひお気軽にご相談ください。

MEDISMA

投稿者プロフィール

原 拓也
原 拓也MEDISMA企画部 部長
医療機器メーカー営業としてキャリアをスタートした後、医療ITベンチャーにて生活習慣病向けPHRサービスのプロダクトマーケティング責任者をはじめ、メルプWEB問診の事業責任者を経験。その後、診療予約システムやクリニック専用の自動精算機・自動釣銭機の商品の企画・開発を手がけ、現在は「医療を便利にわかりやすく」をミッションにスマートクリニックの社会実装に向け同事業の企画・推進を担当。