クリニックの順番予約とは?メリットやシステム導入のポイントを解説|MEDISMA|診療に必要な機能をワンパッケージ

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クリニックの順番予約とは?メリットやシステム導入のポイントを解説|MEDISMA|診療に必要な機能をワンパッケージ

クリニックの順番予約とは?メリットやシステム導入のポイントを解説

クリニックの待合室で患者が待っている様子

「待合室が混雑していて、患者から不満の声が出ている」「予約システムを導入したいが、急患や新患の調整ができるか心配」

クリニックで診療を行う開業医の先生の中には、予約管理や待ち時間の悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。患者満足度を高めつつ、効率よく診療を行うには、自院に最適な予約方法と運用ルールの設計が欠かせません。

特に、当日の来院患者が多い診療科では、順番予約を適切に運用できるかが、患者満足度と業務効率を左右します。

本記事では、予約方式の一つである「順番予約」について、導入のメリット・デメリットを解説します。予約システムの導入で失敗しないためのノウハウを押さえ、理想的なクリニック運営を実現するための参考にしてください。

クリニックの順番予約とは?

順番予約とは、診察の順番を事前に確保する予約方法です。電話やインターネット、アプリなどから当日の順番を予約します。

従来の受付順番制では、患者がクリニックへ行き、受付を済ませてから待合室でじっと待つ必要がありました。しかし、順番予約ではWebやアプリから「今、何人待ちか」を確認し、そのまま受付を済ませることが可能です。

耳鼻咽喉科や皮膚科などの診察時間が患者によって変わりやすい診療科において、活用されている予約方法です。

クリニックの順番予約システムのメリット

順番予約システムの導入は、クリニックと患者の双方にメリットをもたらします。順番予約導入のメリットとして以下の3点が挙げられます。

  • 待ち時間の短縮と混雑緩和につながる
  • 「順番通り」だから不公平感が少ない
  • 新患や急患を受け入れやすい

1. 待ち時間の短縮と混雑緩和につながる

順番予約を導入することで、院内での待ち時間を減らせます。患者は自宅や外出先から順番を取り、診察が近づいてから来院できるため、待合室で長時間過ごす必要がなくなります。

また、混雑が解消されるため、院内感染のリスク対策としても有効です。特に小児科や耳鼻咽喉科など感染症の患者が多い診療科では、待合室の混雑緩和が患者の安心感につながるでしょう。

2. 「順番通り」だから不公平感が少ない

順番予約は「予約をした順に診察を行う」という単純でわかりやすいルールのため、患者にとって公平感があります。

時間指定予約では「予約したのに待たされた」などの不満が生じがちです。一方、順番予約では「受付番号」という明確な基準があるため、「番号順にお呼びします」という説明で患者も納得しやすく、トラブルを防ぐ効果があります。

患者が納得しやすいルールで運用できるため、待ち時間が発生しても不満が生じにくいでしょう。

3. 新患や急患を受け入れやすい

順番予約システムは、当日の急患患者を受け入れやすいことが特徴です。

時間指定予約で枠が埋まっている場合、新患や急患を断らざるを得ないケースがあります。しかし、順番予約であれば「順番を取って待ってもらえれば必ず診察できる」という対応が可能です。

地域医療の拠点として、急な体調不良に悩む患者を広く受け入れる体制を整えられます。

クリニックの順番予約のデメリット

順番予約システムはわかりやすく柔軟である反面、デメリットもあります。導入前に以下のデメリットを把握し、適切な対策を考えておきましょう。

  • 診察開始時間の目安がわかりにくい
  • 順番の前後や外出によるトラブルが生じる

1. 診察開始時間の目安がわかりにくい

順番予約の弱点は、患者にとって「何時から診察が始まるか」がわかりにくいことです。「あと5人待ち」とわかっても、それが具体的に何分後になるのかを正確に予測するのは難しいでしょう。

また、前の患者の診察が長引けば、予想以上に待たされることもあります。仕事の合間や家事の隙間時間に受診したい患者にとっては、終了時間が読めないことはストレスになります。

こうした患者の不安を解消するためには、予約システム上で「現在の診察番号」や「おおよその待ち時間」を表示するなどの工夫が必要です。

2. 順番の前後や外出によるトラブルが生じる

順番予約では、呼び出し時に患者が不在の場合、診察の順番を入れ替える必要が生じます。外出していた患者が戻ってきた際に、すぐに診察室へ通すと待合室で待っていた患者から「抜かされた」と誤解され、トラブルになるおそれがあります。

また、呼び出し時に不在の患者が続くと、一時的に診察する患者がいなくなり、診療がストップしてしまうこともあります。

クリニックでの他の予約方式との違い(時間指定予約・時間帯予約)

予約を示す時計の写真

クリニックの予約方法には、順番予約以外にも「時間指定予約」や「時間帯予約」があります。自院の診療スタイルに適した方式を選ぶために、それぞれの特徴を理解しましょう。

  • 時間指定予約:精神科や検査・処置向き
  • 時間帯予約:バランスの良い柔軟な方式

予約方法

順番予約

時間指定予約

時間帯予約

特徴

順番を予約する

(○○番)

特定の時刻を決めて予約する

(10:00~)

一定の幅のある時間枠で予約する

(10:00~10:30)

メリット

・急患に対応しやすい

・患者の不公平感が少ない

・診察時間の目安が明確

・理論上は待ち時間が発生しない

・診察時間の目安がわかりやすい

・診察の遅れが生じてもカバーしやすい

デメリット

・診察時間の目安がわかりにくい

・患者呼出し時の不在が生じがち

・診察の遅れをカバーしにくい

・運用にノウハウが必要

適した診療科

耳鼻科、皮膚科

歯科、完全予約制の専門外来

内科、小児科、精神科、心療内科

時間指定予約:精神科や検査・処置向き

時間指定予約は、「〇月〇日 10時00分」のように特定の時刻を決めて予約する方式です。

「当日の流れで呼ばれる時間が決まる」順番予約とは異なり、患者は事前に予定を立てやすく、待ち時間がほとんど発生しない点がメリットです。

しかし、前の患者の診察が長引くと全体のスケジュールが崩れやすく、遅れが出やすくなります。

そのため、精神科や心療内科のように一人ひとりの診察時間をしっかり確保する必要がある診療科や、検査・処置などかかる時間が予測しやすい診療に適しています。

時間帯予約:バランスの良い柔軟な方式

時間帯予約は、「10時00分〜10時30分」のように一定の幅を持たせた枠内で予約を取る方式です。30分枠に数名の患者を受け入れ、来院順に診察を行います。

時間指定予約ほど厳密ではないため、診察時間の多少のズレを吸収でき、順番予約よりも「いつ頃行けばいいか」という時間の見通しが立ちやすいのが特徴です。ただ、時間枠に何人の予約を入れるかなど、うまく調整しないと逆に混雑を招くおそれもあります。

内科や整形外科など定期通院の患者が多く、かつ急患対応も必要な診療科において、バランスの良い運用が可能です。

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クリニックの時間帯予約とは?メリット・デメリットと導入方法を解説

順番予約の導入には「ハイブリッド運用」がおすすめ

順番予約は急患を受け入れやすい反面、仕事などで時間を確保したい患者には不向きです。逆に、時間指定予約は予定が立てやすい反面、急患への柔軟な対応が難しくなります。

単一の予約方式だけでは、多様化する患者のニーズや診療シーンに応えきれない場合があります。

おすすめなのが、両者を組み合わせた「ハイブリッド運用」です。「順番予約」か「時間予約」か、どちらか一方に絞るのではなく、診療内容や時間帯によって使い分けることで、それぞれのメリットを活かすことが可能です。

ハイブリッド運用の活用方法を2パターン紹介します。

  • パターン1:時間帯予約+当日順番枠
  • パターン2:診療内容や曜日による使い分け

パターン1:時間帯予約+当日順番枠

1つの時間枠の中に、事前の「時間帯予約枠」と当日の「順番予約枠」を混ぜて運用する方法です。

例えば、1時間あたり「予約枠を3人、当日順番枠を7人」のように設定します。予約患者を優先的に案内しつつ、合間に当日受付の患者を診察することで、スムーズに診療を進められます。

定期通院の患者には安心感を、急な発熱などの患者には受診のチャンスを提供できるため、地域医療の機能を損なわずに効率化を図れるモデルです。

パターン2:診療内容や曜日による使い分け

診療内容や曜日によって予約方式を使い分ける方法も有効です。

例えば、インフルエンザの予防接種や乳幼児健診など、かかる時間が決まっている診療には「時間指定予約」を採用し、通常の一般診療は「順番予約」で運用します。

あるいは、高齢者が多い午前中は「時間帯予約」、学校終わりの子どもが多い午後は「順番予約」とすることも可能です。

患者のライフスタイルや診療の特徴に合わせて柔軟にルールを設定することで、混雑の分散とスムーズな診療につながります。

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クリニックの順番予約システム導入時の注意点と解決策

システムを導入するだけでは、運用の課題は解決しません。発生しうるトラブルを想定し、事前の対策とルールの周知を行うことが大切です。

クリニックの順番予約システムを導入する際に生じがちな問題は以下の3つです。

  • 高齢者やスマホが苦手な患者への対応
  • 「順番が抜かされた」という不満への対策
  • 無断キャンセルや遅刻の防止策

1. 高齢者やスマホが苦手な患者への対応

Web予約の導入にあたっては、スマートフォンやパソコンの操作が苦手な高齢者などへの配慮が必要です。

誰でも受診しやすい環境を守るため、電話の自動音声応答システム(IVR)の活用を検討しましょう。自動音声ガイダンスに従ってボタンを押すだけで予約や順番確認ができるため、Webが使えない患者も取りこぼしません。

また、受付スタッフが代わりに予約の登録をしたり、院内にタッチパネル式の予約機を設置したりすることも有効な手段です。

2. 「順番が抜かされた」という不満への対策

順番予約で多いクレームの一つが、呼び出し時に不在だった患者への対応に関するものです。後から来た患者が先に診察室へ入ると、待っていた患者は不公平感を抱いてしまいます。

そのため、「お呼び出し時にいらっしゃらない場合は、順番を10番後に回します」といったルールを作り、Webサイトや院内掲示で伝えましょう。ルールを厳格に運用することは、真面目にルールを守って待機している患者を守ることにつながります。

3. 無断キャンセルや遅刻の防止策

順番を取ったものの来院しない無断キャンセルや、大幅な遅刻は診療効率を低下させます。

対策として、「診察終了時までに来院がない場合は自動キャンセルとする」といった決まりを設けましょう。また、Web受付の終了時間を窓口の受付終了時間よりも30分〜1時間早く設定することも効果的です。

駆け込み予約による診療時間の延長を防ぎ、スタッフの残業時間を減らすことにつながります。

順番予約だけでなく複数の予約方式を組み合わせた運用が必要

クリニックの順番予約は、患者の待ち時間を「自由に使える時間」に変え、満足度を向上させるシステムです。しかし、クリニックの予約方式にはメリットとデメリットがあり、診療科目や患者層によって最適な運用は異なります。

そのため、「順番予約だけ」「時間予約だけ」と決めつけるのではなく、自院の特徴に合わせて組み合わせることが重要です。

一方で、複雑な予約設定や運用ルールをクリニックだけで構築するのは容易ではありません。運用が定着するまでは、プロの知見を借りながら調整することで実効性が高まります

弊社が提供する「 MEDISMA予約 」は、クリニックに特化した診療予約システムです。10年以上にわたる予約運用の知見を活かし、順番予約と時間帯予約のハイブリッド運用はもちろん、LINE連携や電話自動応答などの機能が充実しています。

導入から定着まで、クリニックの状況に合わせた徹底した伴走サポートで、予約管理の効率化と集患の最大化をお手伝いします。予約システムの導入や見直しをご検討中の方は、ぜひ一度ご相談ください。

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