電子カルテとレセコンの違いとは?連携・一体化の5つのメリットと選び方|MEDISMA|診療に必要な機能をワンパッケージ

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電子カルテとレセコンの違いとは?連携・一体化の5つのメリットと選び方|MEDISMA|診療に必要な機能をワンパッケージ

電子カルテとレセコンの違いとは?連携・一体化の5つのメリットと選び方

「電子カルテとレセコンの違いがわからない」「どのシステムを選べば業務が効率化するのか」といった不安や疑問を感じていませんか。

医療現場でのデジタル化が加速する今、クリニックを健全に経営するには、これらのシステムを理解し、活用する必要があります。

この記事では、電子カルテとレセコンの違いを詳しく解説します。さらに、両者のシステムが連携することによるメリットと、自院に合ったシステムを選ぶための判断基準をご紹介します。

電子カルテとレセコンのおもな違い

電子カルテとレセコンは、どちらも運営に欠かせないシステムですが、その役割と目的に違いがあります。

以下に表にまとめました。

項目

電子カルテ

レセコン

目的

・診察内容の記録・管理

・診療情報の共有と医療の質の向上

・診療報酬の計算

・レセプト作成・会計・経営管理

利用者

医師や看護師

医療事務スタッフ

機能

・カルテ作成

・経過記録

・画像管理

・医療安全チェック

・保険情報の登録

・点数計算

・レセプト点検

電子カルテは「診療の質」、レセコンは「経営の効率」を支えるシステムと考え理解しましょう。

ここでは、それぞれの違いについて詳しくご紹介します。

電子カルテとは

電子カルテの役割は、従来使われていた紙カルテをデジタル化し、患者さんに提供した医療行為を時系列で記録・保存することです。

診察の合間や検査結果をチェックするときなどに、患者さんの過去の情報をすぐに見つけられるのも、強みのひとつです。

過去の血液検査データや投薬履歴の推移を数秒でグラフ化できるため、医師は小さな病状の変化も見逃さずに、正確な診断ができます。

さらに、処方時の禁忌薬チェックや投与量の自動計算など、医療安全を担保する仕組みが組み込まれているも、紙カルテにはないメリットです。

レセコンとは

レセコン(レセプトコンピューター)は、医療費の計算と請求に特化したシステムです。

日本の医療費は、診療行為ごとに点数で計算する「出来高払い」が基本です。

算定ルールは複雑で、繰り返し改定されます。

レセコンはこの煩雑な計算を自動化し、窓口での患者さんの支払い額を算出するのです。

また、毎月の請求書(レセプト)作成や入力漏れの自動チェックもおこない、審査支払機関からのミスの指摘を防ぎます。

正確な計算は、クリニックの経営に直結するため、事務作業の負担を減らし、ミスを防ぐための基幹システムです。

レセコンと混同しがちな「レセプト」「医事システム」とは

医療現場のシステムについて話し合う際、「レセコン」「レセプト」「医事システム」は混同されがちです。

それぞれの言葉が何を指しているのか、以下の表で整理しましょう。

用語

目的・役割

レセコン

診療報酬を正確に計算し、レセプトを自動で作成するための専用ソフト

レセプト

保険者に送る請求書

医事システム

レセコン機能に加え、受付・予約・会計など事務全般の基盤

医事システムはクリニック経営の司令塔であり、レセコンはその中核を担うエンジンのような役割です。

電子カルテが「診察の記録」なら、医事システムは「経営の効率」を支えるための仕組みと言えます。

電子カルテとレセコンは連携・一体化すべき?業務にもたらす5つのメリット

電子カルテとレセコンの連携・一体化は、業務の効率化と経営の安定化に不可欠です。

この両者をつなげることで得られる具体的なメリットをご紹介します。

受付から会計まで自動で連携し、二重入力を防ぐ

電子カルテとレセコンの連携で得られる効果は、情報のワンストップ化による、二重入力の解消です。

医師がカルテに登録すると、処置や薬の内容が会計データとしてレセコンへ飛びます。

以前のように、事務スタッフがカルテを読み取って、手入力し直す手間がなくなるため、入力ミスが消え、患者さんの待ち時間も大幅に短縮されます。

レセプト作成・チェックが効率化され人的ミスが防げる

システムが連携すると、人的ミスによるレセプトの差し戻しや、請求内容が認められず診療報酬が減らされるリスクが抑えられます。

医師が入力した診療行為が、自動的に「算定コード」に紐づけられるため、転記ミスが起こりません。

また、最新のシステムには、「病名と薬が一致しない」といった診療内容と病名が不一致の場合にリアルタイムで警告を出す機能や、特定の加算条件を満たしているかを自動で判定する機能が備わっています。

その結果、レセプト点検作業の負荷が減り、速く正確な請求業務が実現します。

業務負担が軽減する

月初めに集中するレセプト点検作業の負担が激減します。

日々の会計で正確なデータが積み上がるため、締め作業がスムーズになり、残業削減に直結します。

書類のペーパーレス化も進み、スタッフは患者さんの案内や受付の対応など、本来注力すべき業務に専念できるようになります。

制度改定に迅速に対応できる

2年に一度の診療報酬改定をはじめ、制度の変更にも迅速に対応できます。

特に、クラウド型システムを使っている場合、この点数やルールが新しく変わっても、最新の点数や法制度が自動更新されます。

そのため、スタッフが手作業で点数を直したり、設定をやり直したりする手間は最小限で済み、法制度の変更に迅速かつ低コストで対応できるのです。

医事データを分析に活用できる

システム内の患者動向・診療単価・待ち時間などの医事データは、単なる請求の根拠だけでなく、経営を分析するツールになります。

これらのデータを分析すると、エビデンスに基づいて「どの時間帯が混むか」「どの施術が収益に貢献しているか」を把握できるため、戦略的なクリニック運営が可能になります。

電子カルテとレセコンの連携における課題

連携・一体型システムには多くのメリットがありますが、導入前に慎重に考えておくべきリスクも存在します。

以下の表で、注意すべきリスクとその対策を確認しておきましょう。

リスク

対策

一体型の場合、システムダウンで診察記録も会計請求も停止する

・データをバックアップしているか確認する

・院内での予備機器の準備が可能か確認する

電子カルテとレセコンが結びつき、片方だけを他社製品に替えるのが難しくなる

・システムが業界の標準規格に沿っているかを確認する

・データ移行の難易度をチェックする

別メーカーの製品をつなげた場合、不具合発生時に対応が遅れる

・連携実績が豊富な組み合わせを選ぶ

・問い合わせ窓口を一本化できる提供元を選ぶ

これらのリスクを理解し、適切なシステム選定をおこなうと安定稼働につながります。

電子カルテとレセコンにおける、システムの選び方

システム選びは、クリニックの「仕事のしやすさ」を左右します。以下の3つの視点で、自院に最適なものを見極めましょう。

一体型と連携型のどちらを選ぶべきか

システムを選ぶ際、まずは「ひとつのメーカーで完結させる一体型」か「得意分野を組み合わせて構築する連携型」かという点で判断すべきです。

  • 一体型:ソフトにカルテと会計がまとまっているタイプ。操作が統一されていて覚えやすく、データのズレも起きにくいため、現在の主流となっている
  • 連携型:別々のメーカーのソフトをつなぐタイプ。「この診療科専用のカルテを使いたい」というこだわりがある場合に選ばれる

標準的なクリニックでは、運用の手間とリスクが少ない一体型が主流です。

特定の診療科で特殊な機能が必要な場合は、連携型を検討してみてください。

クラウド型とオンプレミス型のどちらを選ぶべきか

システムをインターネット上に置いて使う「クラウド型」と、クリニックの院内に専用のコンピューターを置いて使う「オンプレミス型」という提供形態を検討しましょう。

  • クラウド型:ネット上でデータを管理。初期費用が安く、法改正のアップデートも自動。
  • オンプレミス型:院内にサーバーを置く。初期費用は高額になりやすい。ネット環境に左右されない安定した動作速度が強み。

オンプレミス型は、サーバー設置や専用の機材などで数百万円の初期費用がかかり、5年ごとに機材の更新費用も発生します。

院内のネットワークを使うため動作は速いが、セキュリティ管理や、地震などの物理的な災害対策は、クリニック側がおこなう必要があります。

また、2025年現在、新しく開業するクリニックの主流がクラウド型です。

これは、国が進める医療現場のデジタル化の仕組みがクラウド運用を前提としているためです。

独自の運用方法や深いカスタマイズが不要であれば、クラウド型を選択するのが効率的で安心できるでしょう。

操作性・専門性・サポート体制はどうか

最終的に機種を選ぶときは、機能の良し悪しだけでなく、現場で使いやすいかというポイントを確認しましょう。

以下の3つを比較検討してください。

項目

確認ポイント

確認方法

操作性

・作業を直感的に終えられるか

・少ないクリック回数で済むか

事務スタッフがデモや試用で実際に操作する

専門性

・自院の診療科に特化した入力ひな形があるか

・医療機器との連携実績が十分か

カタログではなく、近隣の同科クリニックでの導入事例を提供元に確認する

サポート体制

・駆けつけ対応があるか

・代替機がすぐに手配できるか

対応スピードや拠点の場所を契約前に確認する

これらを確認しておくと、導入後のスタッフの負担が減り、システムを効率的に活用できるでしょう。

電子カルテとレセコンの違いを理解し、より良いシステムを導入しよう

電子カルテは「診療の記録」、レセコンは「お金の計算」という、異なる役割があります。

これらの連携・一体化は、スタッフの残業を減らし、レセプトのミスも防ぐため、クリニック経営に必要な対策です。システムを選ぶ際は「操作性」「専門性」「サポート」をしっかり比較し、自院に合ったものを選ぶことが、質の高い医療の提供につながります。

当社のMEDISMAは、電子カルテ・レセコンの連携に加え、窓口会計のミスをゼロにできるトータルシステムです。レジ締め作業を短縮し、スタッフの負担を軽くします。

 

<参考サイト>

電子保存の要求事項について|厚生労働省

医療DX推進体制整備加算等の要件の見直しについて|厚生労働省