限られた診療時間内での活用テクニック
例えば10分の診療の場合、前半の5分ほどで患者さんのお話をしっかり聞いて、そのタイミングでAIの録音を止めます。その後、AIが内容をまとめてくれている間に、お薬の説明など次の話題に移り、診察後にはAIがまとめた要約をチェックして、必要な箇所だけ選択してカルテに転送するという流れです。こうした実践を繰り返す中で、どうすれば10分間でちょうどよく診察と記録を済ませられるかが見えてきた印象があります。
記録スタイルの最適化とその効果
2~3か月の使用期間を経て、実際の運用スタイルにも一定の変化が出てきました。一番大きな変化は、AIがまとめてくれる要約をSOAPではなく箇条書きで使うようになった点です。これにより後から見返すときにも分かりやすくなりましたし、スタッフが共有する際もスムーズになったと感じています。
具体的にはSOAP形式(S=主観情報、O=客観情報、A=評価、P=計画)の中でA(評価)は使わず、主にSとPで患者さんの話を分けて整理し、Oには診察中に自分で補足した印象や気づきのみを記録しています。つまりOの項目には録音された内容は入れないようにし、患者さんに伝えにくい所感やカルテに書き留めておくべき内容などを自分なりにまとめておくためのスペースとして位置づけています。
このように、記録の構造を工夫することで、あとから見返した際に内容が一目で整理されていて分かりやすくなり、全体の業務の効率も向上したと感じています。
QRコード転記について
QRコードの転記は、最初は設定や操作に少し手間取ることもありましたが、慣れてしまえば特に負担は感じません。現時点で、こちら側の設定次第で、もっとスピードアップも可能という話も伺っており、改善の余地はあるものの、実際の運用では大きな問題はなく転記できています。